｜桁落ちとは？
浮動小数点形式の仮数部で発生する誤差の一つとして「桁落ち」という現象があります。
桁落ちは、演算時に精度の高い数値と低い数値を扱う際に生じる誤差の一種です。
桁落ちは、二つの数値の差が非常に小さい場合に起こります。
具体的な例を見てみましょう。
仮想的な値として、0.123456789と0.123456788を考えます。これらの値は非常に近いですが、桁落ちが発生する可能性があります。
例えば、これらの値を引き算する場合、計算結果は0.000000001となります。しかし、浮動小数点形式では仮数部のビット数に制約があるため、結果が正確に表現されず、桁落ちが生じます。
結果として、非常に小さな値が正確に表現されず、誤差が生じる可能性があります。
桁落ちは、減算や加算の他にも、平方根や対数の計算など、さまざまな演算において発生する可能性があります。特に、入力値が非常に近い場合や、相対的に小さな値を扱う場合に注意が必要です。
｜桁落ちを軽減させるためには？
桁落ちを軽減するためのアプローチとしては、数値のスケーリングや再設計、精度の高い演算手法の選択などがあります。また、演算の順序を変更することで桁落ちを回避できる場合もあります。
浮動小数点形式の仮数部で発生する桁落ちは、数値計算において意図しない結果をもたらす可能性があるため、注意が必要です。
特に、極端に近い値を扱う場合や、精度の高い計算結果が求められる場合には、桁落ちによる誤差が許容範囲を超えないか慎重に検討する必要があります。
