ここでは、基本情報技術者試験科目：基礎理論より「高速通信回線を支えるさまざまな多重化方式」について解説していきます。
通信に関する理論の解説
・通信は情報の効率的な伝達に欠かせない技術です。
・高速通信回線を支える多重化方式にはさまざまな種類があります。
・今回は、「周波数分割多重化方式」、「時分割多重化方式」、「符号分割多重化方式」に焦点を当てて解説します。
｜高速通信回線を支える多重化方式の概要
多重化は、複数の信号を同じ伝送媒体を通じて同時に伝送する技術です。これにより、通信回線を最大限に活用し、高速データ伝送が可能となります。多重化方式にはさまざまな種類があり、その中で以下の3つが主要なものです。
１．周波数分割多重化方式（FDM：Frequency Division Multiplex）
周波数分割多重化方式では、異なる信号を異なる周波数帯域に割り当てて伝送します。各信号は独自の周波数帯域を使用し、これにより同時に多くの信号を伝送できます。例えば、ラジオ放送で異なる放送局が同じ周波数帯域を使用していても、周波数分割多重化により干渉なく受信できます。
２．時分割多重化方式（TDM：Time Division Multiplex）
時分割多重化方式では、時間を区切り、各区間で異なる信号を伝送します。これは時間スロットと呼ばれる小さな単位で信号を切り替えて送信する方式です。例えば、電話回線では短い時間スロットで多くの通話を同時に伝送します。
３．符号分割多重化方式（CDM：Code Division Multiplex）
符号分割多重化方式は、異なる信号に一意な符号（コード）を割り当てて伝送します。これにより、複数の信号が同じ周波数帯域と時間スロットで同時に伝送されますが、各信号は異なる符号で区別されます。この方式は、CDMA（Code Division Multiple Access）などのモバイル通信で使用され、高い伝送効率とセキュリティを提供します。
・これらの多重化方式は、高速通信回線において信号を効率的に伝送し、情報の迅速な交換を可能にします。
・適切な多重化方式の選択は通信システムの性能に大きな影響を与えるため、通信エンジニアにとって重要な要素です。
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