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|はじめに
オペレーティングシステム(OS)とは、コンピュータの基本的な動作を管理するソフトウェアのことです。OSには、ハードウェアの制御、アプリケーションの実行、ユーザーの操作の受け付けなど、さまざまな役割と機能がありますが、その中でも重要な役割を果たすのが、ジョブ管理とタスク管理です。
ジョブ管理とは、複数のプログラムを効率的に実行するための仕組みです。タスク管理とは、プログラムを細かい単位に分割して並行処理するための仕組みです。
ここでは、ジョブ管理とタスク管理の役割と仕組みについて、わかりやすく解説します。ジョブ管理とタスク管理を理解することで、コンピュータシステムをより効率的に利用できるようになるでしょう。また、基本情報技術者試験の出題範囲にも含まれる内容なので、ぜひ参考にしてください。
|ジョブ管理とタスク管理の違い
ジョブ管理とは、複数のアプリケーションを同時に実行できるようにする機能です。タスク管理とは、アプリケーションの処理を細分化して管理する機能です。
ジョブ管理とタスク管理の違いは、仕事の規模や目的、範囲などにあります。ジョブ管理は仕事の全体を見ることであり、タスク管理は仕事の一部を見ることです。ジョブ管理は仕事の成果や品質を重視することであり、タスク管理は仕事の効率や速度を重視することです。ジョブ管理とタスク管理は相互に関連し合いながら、仕事の成功に寄与するものです。
1.ジョブ管理とは
ジョブ管理とは、オペレーティングシステム(OS)が複数のアプリケーションを同時に実行できるようにする機能です。ジョブとは、アプリケーションを実行するための単位で、以下の役割があります。
・ジョブの割り当て:CPUやメモリなどのリソースを、各ジョブに割り当てます。
・実行の制御:ジョブの実行を開始、停止、優先順位付けなどを行います。
・終了の管理:ジョブの終了を管理します。
①ジョブの種類や実行方法について
ジョブの種類は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
・バッチジョブ:
ユーザーの操作を待たずに、OSが自動的に実行するジョブで、あらかじめ入力データを準備しておき、OSが自動的に実行します。バッチジョブは、主に大量のデータを処理する場合や、定期的に実行する場合に用いられます。
・オンラインジョブ:
ユーザーの操作によって、OSが実行するジョブで、ユーザーがアプリケーションを起動することで、OSが実行します。オンラインジョブは、主に対話的な処理や、緊急性の高い処理に用いられます。
ジョブの実行方法は、大きく分けて以下の2つに分けられます。
・直接実行:
ユーザーがアプリケーションを起動することで、OSが直接実行します。ジョブの実行が速いというメリットがありますが、CPUやメモリなどのリソースを占有するデメリットがあります。
・スプーリング:
ジョブの入力データや出力データを、OSがメモリやディスクに一時保管してから、実行します。スプーリングは、CPUやメモリなどのリソースを効率的に利用できるメリットがありますが、ジョブの実行が遅いというデメリットがあります。
②スプール(SPOOL:Simultaneous Peripheral Operations OnLine)について
スプールとは、入出力装置とメインメモリの間に一時的な記憶装置(スプール領域)を設けて、入出力装置の使用時間を短縮する技術です。スプールを利用することで、入出力装置が空いているときにはスプール領域からデータを読み書きし、入出力装置が使用中のときには他の処理を実行することができます。これにより、入出力装置の待ち時間を減らし、システム全体の性能を向上させることができます。スプーリングを行うことで、以下のメリットがあります。
・CPUやメモリなどのリソースを効率的に利用できる。
・ジョブの実行を高速化できる。
・ジョブの実行を順序どおりに実行できる。
・スプーリングは、バッチジョブの実行によく利用されます。
③スプーリングについて
スプーリングとは、バッチジョブをスプール領域に一時的に格納しておき、優先順位や実行条件などに基づいて順次実行する技術です。スプーリングを利用することで、バッチジョブの実行順序や開始時刻を柔軟に制御することができます。また、バッチジョブの実行中にも新たなバッチジョブを受け付けることができます。スプーリングは、以下の2つの方法で行うことができます。
・ハードウェアスプーリング:
ハードウェアの機能を利用したスプーリングで、専用のハードウェアを利用して、ジョブの入力データや出力データを一時保管します。
・ソフトウェアスプーリング:
ソフトウェアの機能を利用したスプーリングで、OSの機能を利用して、ジョブの入力データや出力データを一時保管します。
④ジョブ制御言語(JCL(Job Control Language))について
ジョブ制御言語とは、バッチジョブを記述するための専用の言語です。JCLでは、バッチジョブの名前や優先順位、実行条件などを指定することができます。また、バッチジョブが使用するプログラムやデータファイルなども指定することができ、システムによって異なる文法や構文を持ちます。ジョブ制御言語(JCL)は、ジョブの実行方法を指定するための言語で、JCLには、以下のようなものがあり、バッチジョブの実行時に、ユーザーが指定します。
・ジョブの種類
・ジョブの実行方法
・ジョブの優先順位
・ジョブの入力データや出力データの指定
⑤ジョブスケジューラについて
ジョブスケジューラとは、バッチジョブの実行計画や監視を自動化するソフトウェアです。ジョブスケジューラでは、バッチジョブの開始時刻や間隔、依存関係などを設定することができます。また、バッチジョブの実行状況や結果を確認したり、エラーが発生した場合に通知したりすることもできます。ジョブスケジューラは、システム内部のものだけでなく、複数のシステムを連携させるものもあります。ジョブスケジューラは、ジョブの実行順序を決定する機能で、OSの機能として備わっており、以下のようなものがあります。
・先来順スケジューラ:ジョブの提出順に実行するスケジューラです。
・優先度スケジューラ:ジョブの優先順位に応じて実行するスケジューラです。
・ラウンドロビンスケジューラ:各ジョブを一定時間実行してから、次のジョブに切り替えるスケジューラです。
⑥マスタスケジューラについて
マスタスケジューラとは、複数のジョブスケジューラを統合的に管理するソフトウェアです。マスタスケジューラでは、システム全体のバッチジョブの実行計画や監視を一元的に行うことができます。また、システム間のバッチジョブの依存関係や優先順位を設定したり、システム全体のリソースや負荷を調整したりすることもでき、大規模なシステムや分散型システムで用いられます。マスタスケジューラは、複数のコンピュータシステムのジョブの実行順序を決定する機能で、ネットワーク上で複数のコンピュータシステムを連携させる場合に利用されます。
2.タスク管理とは
タスク管理とは、OSが複数のプログラムを効率的に実行するために行う管理のことです。タスク管理では、プログラムの実行状態を「実行可能状態、実行状態、待ち状態」の3つに分けて管理します。
・実行可能状態(ready):
実行可能状態とは、プログラムがCPUの割り当てを待っている状態のことです。
実行可能状態のプログラムは、OSがスケジューリング(CPUの割り当て順序)を決める対象となります。
・実行状態(run):
実行状態とは、プログラムがCPUを使用して実際に処理を行っている状態のことです。
一つのCPUは一度に一つのプログラムしか実行できませんが、OSが時間単位でCPUを切り替えることで、複数のプログラムが同時に実行されているように見えます。
・待ち状態(wait):
待ち状態とは、プログラムが入出力や割り込みなどのイベントを待っている状態のことです。
待ち状態のプログラムは、CPUを使用できないため、OSがスケジューリングの対象から外します。イベントが発生すると、待ち状態から実行可能状態に遷移します。
①プロセス(process)とスレッド(thread)
プロセスとは、実行中のプログラムのことです。
プロセスは、コードやデータ、レジスタやスタックなどの資源を持ち、OSがタスク管理を行う最小単位です。
スレッドとは、プロセス内で並列に処理を行う単位のことです。
スレッドは、コードやデータなどの資源をプロセス内で共有しますが、レジスタやスタックなどの個別の資源を持ち、CPUの利用効率や応答性を向上させるために使用されます。
②マルチタスク
マルチタスクとは、OSが複数のプロセスを同時に実行することです。
マルチタスクでは、OSが時間単位でCPUを複数のプロセス間で切り替えることで、各プロセスが並列に処理されているように見えます。マルチタスクは、CPUの利用効率やシステム全体の性能を向上させるために使用されます。
③マルチスレッド
マルチスレッドとは、一つのプロセスが複数のスレッドを同時に実行することです。
マルチスレッドでは、一つのCPUや複数のCPUで複数のスレッドが並列に処理されます。マルチスレッドは、マルチタスクよりもコンテキスト切り替え(CPUが別のプロセスやスレッドに移る際に行う資源の保存や復元)のコストが低いため、より高速な並列処理が可能です。
3.タスクのスケジューリング
タスクのスケジューリングとは、OSが複数のタスクを効率的に実行するために、どのタスクをいつ、どの程度の時間、どのプロセッサで実行するかを決める仕組みです。タスクのスケジューリングには、様々なアルゴリズムが存在しますが、一般的には以下のような要素を考慮して選択されます。
①プリエンプティブ方式
プリエンプティブ方式とは、実行中のタスクを強制的に中断して別のタスクに切り替える方式です。この方式では、タスクの優先度やイベントの発生、実行時間などによってタスクの切り替えが行われます。プリエンプティブ方式には以下の3つの方法があります。
・優先度順方式(プリエンプション):
優先度順方式とは、タスクに優先度を割り当てて、高い優先度のタスクが実行可能になったら、低い優先度のタスクを中断して切り替える方式です。この方式では、高い優先度のタスクが常に優先されるため、低い優先度のタスクが実行されない可能性があります。
・イベントドリブンプリエンプション方式:
イベントドリブンプリエンプション方式とは、特定のイベント(入出力完了や割り込み発生など)が起こったら、実行中のタスクを中断して切り替える方式です。この方式では、イベントが発生したタイミングでタスクの切り替えが行われるため、応答性が高くなります。
・ラウンドロビン方式:
ラウンドロビン方式とは、タスクに一定の時間(タイムスライス)を割り当てて、その時間が経過したら次のタスクに切り替える方式です。この方式では、すべてのタスクが公平に実行されるため、タスクの飢餓(実行されない状態)を防ぐことができます。
②ノンプリエンプティブ方式
ノンプリエンプティブ方式とは、実行中のタスクを自発的に終了するか、他のタスクに譲るまで中断しない方式です。この方式では、実行中のタスクを長時間占有すると他のタスクが待ち続けることになります。そのため、応答性や効率性が低くなる可能性があります。
③ディスパッチャ
ディスパッチャとは、OS内部で動作するプログラムで、実行可能なタスクから次に実行するタスクを選択し、CPUへ割り当てる役割を担います。ディスパッチャは、適切なタイミングで適切なタスクを選択することで、システム全体の性能や効率を向上させます。
④TSS(タイムシェアリングシステム)
TSSとは、複数のユーザーが同時にコンピュータを利用できるようにするシステムです。TSSでは、CPUやメモリなどの資源を時間的に分割して各ユーザーに割り当てます。TSSでは、ラウンドロビン方式や優先度順方式などのプリエンプティブ方式が用いられ、各ユーザーが自分のタスクを実行しているように感じることができます。
|まとめ
以上、オペレーティングシステムのジョブ管理とタスク管理について解説しました。ここでは、オペレーティングシステムが複数のプログラムを効率的に実行するために、ジョブ管理とタスク管理という二つの機能を持っていることを説明しました。
ジョブ管理は、複数のアプリケーションを同時に実行できるようにする機能であり、タスク管理は、アプリケーションの処理を細分化して管理する機能です。これらの機能は、密接に関連しており、どちらもOSの重要な機能です。
ジョブ管理とタスク管理を理解することで、コンピュータシステムをより効率的に利用できるようになるでしょう。また、基本情報技術者試験では、ジョブ管理とタスク管理に関する問題が出題されるため、受験を考えている方は、しっかりと理解しておきましょう。
具体的には、以下のようなメリットが期待できます。
・複数のアプリケーションを同時に実行できるようになり、作業効率が向上する。
・アプリケーションの処理を細分化して管理することで、CPUやメモリなどのリソースを効率的に利用できるようになり、システムのパフォーマンスが向上する。
・アプリケーションの動作を制御することで、システムの安定性が向上する。
基本情報技術者試験では、ジョブ管理とタスク管理に関する問題は、以下の分野で出題される傾向があります。
・システムの構成と設計
・システムの運用と保守
・システムのセキュリティ
これらの分野を理解するためには、ジョブ管理とタスク管理の基本的な知識を身につけておくことが重要です。